あらすじ
2011年11月11日。
東京・日比谷公園に、世界で初めての「ダンジョン」が現れた。
それから十五年。
人類はダンジョンを研究し、資源を利用し、制度を整え、探索者という新たな職業まで生み出した。
世界は変わった。それでも、人間社会はゲームのように都合よくは変わらなかった。
伊東康一、39歳。
会社をリストラされ、探索者となった男。
彼が持つユニークスキル【解析】は、物事の事実や特徴を読み取ることができる。
だが、原因も正解も教えてはくれない。
ある日、康一はダンジョンで二つの石を拾う。
見た目も、重さも、名前も同じ。
なのに【解析】には、わずかな違いが表示された。
なぜ違う?
その小さな疑問を追いかけた先で、康一は人類が十五年間積み重ねてきたダンジョンの知識、その先へ少しずつ近づいていく。
観察する。考える。試してみる。間違えたら、また考える。
これは、答えを教えてくれない能力を手にした男が、世界の「まだ分からない」を解き明かしていく物語。