あらすじ
60歳で、長年勤めたシステム開発会社を退職した結城修司。
そんな彼のもとに届いたのは、学生時代にアルバイトをしていた歴史シミュレーションゲーム会社からの誘いだった。
求められたのは、2034年――織田信長生誕500年に向けた、新しい歴史シミュレーションゲームの開発。
約40年間、歴史ゲームを遊び続けてきた結城には、一つの思いがあった。
史実の事件を順番に起こすのではない。
武将たちの人間関係、利害、忠誠、外交、土地、組織。
それらが絡み合った結果として、歴史そのものが動き出すゲームは作れないのか。
しかし、ゲーム開発は業務システムとは違う。
正しいだけでは面白くない。
精密なだけでは遊べない。
現実に近づければいいわけでもない。
ベテランのゲームデザイナー、若手プランナー、歴史考証、プログラム、UI、テスト――。
異なる専門性を持つ仲間たちとの議論と試作、そして失敗を重ねながら、結城は少しずつ「ゲームを作る」という仕事を知っていく。
目指すのは、歴史を再現するゲームではない。
**歴史が生まれる仕組みを作ること。**
これは、一人の天才が名作を作る物語ではない。
戦国時代が自然に動き出す場所を、みんなで作っていく物語。