あらすじ
魔王を討ち果たし、世界のすべてを救った勇者。 しかし、その栄光の裏側にあるのは、崩れゆく仲間たちの断末魔と、脳裏を焼き尽くす終わらない絶望のトラウマだった。
毎夜、悪夢に身を狂わせ、鉄の仮面で素顔と理性を隠した彼は、深森の奥にある地図に載らない魔女の工房にたどり着く。
「……頼む、あの瞬間の絶望を、仲間の断末魔を、俺の頭の中からすべて抉り出してくれ」
差し出された山のような金貨と、魂の底からの絶願。 それは「記憶を消して空っぽの人形にしてほしい」という、痛々しいまでの逃避だった。
魔女と傷だらけの英雄が選ぶ結末とは――。