あらすじ
「毒見をお願いね」
伯爵令嬢フィリシア様は、紅茶を出されるたび、当然のようにそう言う。跡目を狙う従兄一家が命を狙って企みを仕掛けるたび、その被害はことごとく、フィリシア様の地味な習慣によって未然に防がれてしまう。
毒見の習慣で毒が見つかり、車輪の点検の習慣で細工が見つかり、鑑定の習慣で呪いのブローチが見つかる。フィリシア様本人は、危険を察知しているわけではない。ただ、幼い頃からの習慣を、いつも通り続けているだけ。
護衛騎士ロイドの生真面目な視点から見た、企みが次々と自滅していく顛末。
「お嬢様を守っているのは、私ではない。お嬢様ご自身の、何気ない暮らし方なのだと思う」