あらすじ

川を下り、見知らぬ街へ辿り着いた少女・愛。 そこで彼女は、夜ごと野原を歩く不思議な青年シンと、森の丸太小屋にひとりで暮らす白髪の男・朱に出会う。 朱は静かな男だった。 紅茶を丁寧に淹れ、古い本を読み、ピアノを弾く。 けれど、日が沈むとその瞳は赤く染まる。 「夜は近づかないでくれ」 朱は、人の命を奪う妖精――レッドキャップだった。 それでも愛は、昼になると丸太小屋を訪れる。 ピアノを弾き、お茶を飲み、とりとめのない話をする。 そんな午後を重ねるうち、長いあいだ音楽から離れていた朱の中で、失われていたものが少しずつ動き始める。 忘れていた音楽。 失われた家族。 人ではないものと、人であろうとする心。 これは、歌を忘れた一羽のかなりやの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/15
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