あらすじ
世界を救った四人の姉妹がいた。
剣の頂点に立つ剣聖セリナ。
魔法の頂点に立つ賢者リリア。
錬金術の常識を塗り替えた天才ミリア。
そして世界最大級の商会を築き上げた大商人エマ。
若くしてそれぞれの道の頂点へ辿り着いた彼女たちは、人々から英雄として讃えられていた。
しかし、そんな四姉妹には誰にも語りたくない過去がある。
――兄、レオン。
幼い妹を魔物の棲む森へ置き去りにした。
毎日のように過酷な虐待を繰り返した。
努力して手に入れた褒美を奪った。
才能を妬み、販路を潰し、夢を邪魔し続けた。
それでも四姉妹は兄に屈することなく、自らの力で世界の頂点まで上り詰めた。
そして魔王との戦いを終えた彼女たちの前に現れたのは、変わり果てた姿となった魔神の兄だった。
すべての因縁に決着がついた後、レオンが犯してきた数々の罪を裁くため、神託裁判が開かれる。
証人は四人の妹。
そして証拠は、過去に起きた出来事をありのままに映し出す神器――《真実の鏡》。
世界中が見守る中、四姉妹は兄から受けた仕打ちを一つずつ告発していく。
誰もが思っていた。
これは、稀代の悪党が犯した罪のすべてを暴き、その報いを受けさせるための裁判なのだと。
だが――。
真実の鏡に映し出された過去は、彼女たちの記憶と同じはずなのに、どこかがおかしい。
一つの真実が明らかになるたび、新たな疑問が生まれる。
世界を救った四人の英雄と、彼女たちの人生を弄び続けた最低の兄。
長きにわたる因縁に、今、決着の時が訪れる――。