あらすじ
世界観
■世界
人の命には、いつか世界へ還る時が訪れる。
その兆候として現れるのが「返却病」。この世界では、返却病を迎えた者の命を世界へ還し、苦しみから解放する「執行」が、人々を守るために必要なものとして受け入れられている。
■返却病
命が世界へ還る時期を迎えた者に現れる症状。進行すると紋様が身体に表れ、苦痛や暴走を引き起こすことがある。
オルディウム院による観測・執行の対象となる。
■執行
返却の時を迎えた者の命脈を断ち、命を世界へ還す行為。苦しみを終わらせ、最期まで対象者に寄り添う「慈悲」として、この世界では受け入れられている。
■執行術
命脈・界脈・残脈などの「流れ」へ介入する技術。
物体や肉体を魔法のように直接操作するものではなく、流れの方向・圧力・接続状態などへ干渉することで、さまざまな現象を引き起こす。
■命脈(めいみゃく)
すべての生命に存在する、個体の命の流れ。
執行人だけが視認でき、命脈を断つことで、その命を世界へ還すことができる。
■界脈(かいみゃく)
大地や水など、自然界を巡っている流れ。
執行人はその流れを視認し、方向や圧力などへ介入することができる。
■残脈(ざんみゃく)
物や素材に残された、かつての流れの痕跡。
執行人は残脈へ介入することで、物そのものを直接操るのではなく、残された流れを利用して周囲へ作用させることができる。
■オルディウム院
返却病患者の観測と執行を担う組織。
理念は「世界の秩序を守る者」。返却の兆候を見つける「観測員」と、患者の命を世界へ還す「執行人」たちが所属している。
■十執行
オルディウム院に所属する、最高位の十人の執行人たち。
それぞれが固有の執行名を持ち、高度な執行術を扱う。
■観測員
返却の兆候を観測し、執行対象を発見する専門職。執行人は観測結果をもとに現場へ向かう。
人物表
ノエル・ヴァレニス
18歳の執行人。誠実で真面目な青年。命脈を誰より鮮明に見ることができ、執行を人を苦しみから救う慈悲だと信じている。
ネヴィア・ルメリア
ノエルが出会う少女。大きなリュックを背負い、拾った物を何でも取っておく収集癖がある。素直で行動力がある。
アウレール・ルーメン・ソラニス
オルディウム院の総長。穏やかで冷静な人物で、ノエルたちを導く立場にある。
ゼイン・アルカディウス
執行人。多くを語らず、言葉より行動で仲間を支える。ノエルにとって信頼できる先輩的存在。
オルフェウス・アステラディウス
執行人。豪快で「人生を面白がって生きる」男。天秤刀を操り、素早い判断と「流れの偏向」で相手を追い詰める。
セレス・ノア
執行人。高い実力を持つ執行人で、《セクトゥーラ》――瞬断を使う。
フィン・ラウゼル
巨大水車の町で暮らす水車職人見習い。「何もない」自分の人生を面白く見せるため、軽い嘘をつく青年。本人が思う以上に水車職人として優れた感覚を持つ。
レオン・ハルヴェイン
国家兵士長。国家兵の現場部隊を率いる。任務に忠実で、相手に恩があっても自らの職務を曲げない人物。