あらすじ
雪の降る都会の交差点。赤いスポーツカーが、ひと組の親子の命を一瞬で奪った。
運転していたのは、市民を守る国家防衛特殊部隊《スレイヤー》の一人。
罪を償う代わりに、彼は世界を脅かす黒い雨《ハデスの涙》を利用した。事故現場一帯を巨大な蜘蛛の巣で封鎖し、目撃者も、怪物へ変わりつつある市民も、猛毒でまとめて葬り去ったのだ。
完全犯罪のはずだった。
だが、轢き殺した親子の遺体だけが消えていた。
鋼鉄をもしのぐ巣には、何者かが素手でこじ開けたような、焦げた爪痕が残されていた。
そしてその夜、死んだはずの少女に、世界の記録から抹消された最強の魂が宿る。
その白い髪が、救済の印なのか、滅亡の前触れなのかを知る者は、まだいない。