あらすじ
2078年、極東で大規模な量子情報爆発が発生した。
情報媒介粒子〈フィリオン〉に汚染された一帯は〈ゾーン〉と呼ばれ、そこでは人が見えないものを見る。
いま世界では、言語インフラ〈レム・コーデック〉によって束ねられた量子言語が崩壊を始めている。あと八ヶ月で、地上のすべての言語はただひとつに縮約される。
爆心地にいる量子AI〈ヴェルディ〉。
ゾーンに展開される日本国陸上自衛軍と、ヴェルディ破壊を命じられたアメリカ軍のサイボーグ部隊。
ヴェルディ接触をもくろむ中国の〈綴象者〉、武碧霞(ウー・ビーシャ)とタイの戦士アイス。
そして地下施設でただ独り、ヴェルディの管理を引き継いでいた青年、小刀禰嶺央(ネオ)。
ネオ、ウー、アイスの三人は、シンギュラリティとフィリオンの謎を追って独立海上都市ラーマへ渡り、軌道エレベータ〈アカーシャ・セトゥ〉を昇っていく。
海から、空へ。その先へ。特異点の向こう側への、旅が始まる。