あらすじ
海外勤務歴が多い。
中国語が使える。
ベトナムに二度赴任。
大学院ではベトナム人学習者を研究。
外国人との交流も多い。
そして現在の所属は――「都内某所」。
ただ、それだけだった。
本人は、ごく普通の日本語教師である。
ところが、ある採用面接をきっかけに、なぜか経歴のすべてが「怪しい方向」に解釈され始める。
「モンゴル語は?」
「話せません」
「海外で巨額の誤送金を?」
「処理してません」
「地下資源の開発経験は?」
「漢字は掘り下げますが、鉱山は掘りません」
そして最後に聞かれる。
「……別班?」
「だから違うって!」
やがて男の周囲には、航空会社を渡り歩き、空港や寺院に出入りする旧友、長髪のモンゴル人学生、チンギスという名のネパール人学生、なぜか音声アプリでしか話さない学生、妙に“ブレイブ”な事務職員、そしてどこか見覚えのある校長まで現れ始める。
学生のアルバイト先の紋章は、どう見てもTENT。
山門には、なぜか紅白饅頭。
学会には、野崎そっくりの男。
本人が否定すればするほど、世界は『VIVANT』っぽくなっていく。
これは国家を守る者たちの物語ではない。
ただ普通に働き、研究し、学生を教えていただけなのに、なぜか別班に間違えられてしまった男と、その周囲の人々による、日常系スパイ疑惑コメディ。
「ただの日本語教師です。――誰も信じてくれない。」
※本作はフィクションです。実在の人物・団体・教育機関等とは関係ありません。
たぶん。