あらすじ
冥婚——死んだ者に、生きた花嫁を一夜だけ娶らせる弔いである。
「死人の花嫁」と蔑まれる冥婚屋の娘・宵坂銀子には、白無垢を纏った祝言の一夜だけ、花婿となった死者の「最期のひと言」が聞こえる。謎かけめいた一言と遺品から死の真相を解き、未練を祓うのが家業だ。ただし家の掟がひとつ。冥婚の家の女が生者に恋をすれば、早死にする。
ある夜、兄の冥婚を依頼してきた二十五歳の陸軍少佐・鷹尾暁人は、初対面で彼女の力を見抜いて言い放った。
「兄は殺された。ひと言の意味を解け。それと——お前はいずれ俺が娶る。死者には渡さん」
だが祝言の夜、独身のはずの兄が遺したひと言は。
『俺の妻を、さがしてくれ』
存在しないはずの妻。帳面の合わない死。帝都中の墓に現れる、同じ女紋の「妻」——。
一夜一件の冥婚謎解きに、まっすぐ重たい少佐の求婚。死人の花嫁と蔑まれた娘が、帝都の嘘を破り、生者の春を掴むまで。全42話・毎日更新・完結保証。
※幽霊・怪異は出ません。謎の正体はすべて「人」です。