あらすじ
伝説の平社員・宮坂が自らの命の時間を削り、この国の日常(インフラ)を護り抜いて数年。宮坂の遺した「誰も理不尽に泣かないオフィス」に配属された新入社員・新堂渉(しんどう わたる)を、かつてない最悪の『罠』が襲う。毎朝完璧な敬礼で迎えてくれていた警備員(監視者)の突如とした拉致。そして社内ネットワークを侵食する、かつて宮坂に完全消去されたはずの法師陰陽師・道崎満が遺した自動起動型(デッドマンズ・スイッチ)のバグファイル呪詛。一瞬にして横領の罪を着せられ、警察や社会から完全に逃げ場を無くされた渉。絶望のなか、彼がスマートフォンを強く握りしめた瞬間――。
ジジ、ジジ、ジジジ――ッ!!
液晶のひび割れが青白い雷光を放ち、世界の時間がロックされる。渉の両脇に佇んだのは、宮坂の命を喰らい、以前よりも神聖で凶暴な『白銀の霧』を纏って変質した二人の式神――長身の影時と、短身の小太郎だった。彼らは何も話さない。ただ、新しい主の「覚悟の器」を冷徹に値踏みしている。
「俺に、力を貸してくれ。先輩の遺したこの場所を、絶対に助け出したいんだ」
敵は、悪徳上司から異界の強者へ。孤独な新入社員と白銀の鬼神たちが、死者の執念と世界の理不尽を根こそぎ強制デリートする、新時代の怪異オフィスサスペンス、堂々開幕。
※本作は『式神さん』の続編となりますが、こちらからお読みいただいてもお楽しみいただけます。