あらすじ
AIが示した「最善手」は、本当にAIが見つけたものなのか。
第30期名龍戦七番勝負。
A級棋士・花山龍は、長年越えることのできなかった絶対王者・大原徹への初タイトル挑戦を迎えようとしていた。
大原を倒すため、花山はAI研究を取り入れ、一年をかけて一つの「静かな一手」を切り札として磨き上げる。
ところがタイトル戦直前、AI技術にも詳しい若手棋士・早瀬悠真が突然姿を消す。
残されたUSBメモリ「AOSAGI」。
そこに保存されていたのは、公式記録には存在しない、二十年前の非公開研究会「蒼鷺会」の棋譜だった。
そして、その棋譜には――
花山が自分で発見したと信じていた「静かな一手」が、すでに指されていた。
最初にその手を指した棋士のものなのか。
AIが再発見した手なのか。
一年間研究した花山のものなのか。
それとも、盤上に現れた一手は誰のものでもないのか。
棋譜改ざん、AIデータ、失踪した棋士、二十年前に将棋界を去った天才。
タイトル戦の盤上と、二十年前の事件が、一つの「最善手」を中心に重なり始める。
将棋×AI×ミステリー。
AIが人間を超える時代に、「自分で一手を選ぶ」とは何なのかを描く物語です。
※本作は、noteで公開している第一作・全27話を再構成したダイジェスト版です。
※物語の核心部分を含みます。
※将棋の詳しい知識がなくても読めるよう構成しています。