あらすじ
高校二年生の春。
女子バレーボール部でセッターを務める月島遥香は、クラス替えの名簿を見て思わず目を止めた。
――殿河優聖。
容姿端麗、成績優秀、おまけに性格までいいと評判の、学園一のイケメン。
遥香は一年生の頃から、なぜか彼に見られていることに気づいていた。
廊下ですれ違えば、振り返った先で目が合う。
体育の授業中も、ふと気づけばこちらを見ている。
もしかして、私のこと……?
そんな優聖と同じクラスになって間もなく、遥香は彼から放課後に呼び出される。
場所は、満開の桜の木の下。
そこで告白して結ばれた二人はずっと一緒にいられる――そんな言い伝えのある場所だった。
「一年生の頃から、ずっとあなたを目で追っていました」
そして優聖は、遥香に告げる。
「私は恋をしてしまったのです。――あなたのお尻に」
「…………は?」
顔じゃない。
性格でもない。
こいつが一年間見ていたのは、私のお尻だった!?
しかも優聖は、遥香に盛大にフラれても諦めない。
「絶対に君を振り向かせてみせます」
だったら――。
「私だって、絶対にあんたを振り向かせてみせる!」
こうして始まったのは、
『遥香のお尻を振り向かせたい男』と、
『お尻ではなく自分自身を振り向かせたい女』の、
どこか盛大にズレた恋の勝負。
これは、お尻に恋をした少年が、一人の少女に恋をするまでの物語。