あらすじ
千年前、《戦士の賢者》が興した名門レイヴェルト家。
その嫡男として生まれたアーサーは、始祖と同じ名を与えられ、幼い頃から剣を振り続けてきた。
誰もが将来有望な戦闘職を授かると信じていた。
十五歳の職業判定の日。
彼に与えられた職業は――《錬金術師》。
戦闘には向かず、素材と金ばかりかかる不人気職。
父は落胆し、周囲からは笑われ、家督まで弟へ譲ることになる。
しかし、その瞬間。
アーサーは前世の記憶を取り戻した。
この世界は、前世で何千時間も遊び尽くしたゲームとよく似ている。
そしてアーサーは知っていた。
《錬金術師》は弱くない。
ただ、あまりにも扱いにくいだけだ。
素材の品質、属性、潜在性。
そして、無数の可能性を秘めた《自由調合》。
ゲームのサービス終了まで、誰にもその全てを解明できなかった錬金術を前に、アーサーは名門貴族としての道を捨て、冒険者になることを決める。
これは、剣の才能を期待されながら《錬金術師》になった少年が、
誰も知らない素材を集め、
誰も知らない調合を試し、
やがてゲームですら到達できなかった錬金術の果てを目指す物語。
「――さて、何から作ろうか」