あらすじ
会社員になって半年。
実家暮らしの「私」は金曜日の夜、新大宮駅から家へ帰ろうとしていた。
疲れていた私は、いつものようにタクシーを利用しようとする。
ところが、あと数歩というところで、三人組のサラリーマンが現れる。
若い男は、私がタクシーに向かっていることを知りながら、二人の上司を乗せるために車を先に押さえてしまった。
抗議することもできず、私はその場を離れる。
若い男への怒りは、やがて、自分もいつか同じ立場に置かれるのではないかという不安へと変わっていく。
誰かの良心が、誰かの立場の前では簡単に押し流される。
そんな会社員の日常の一場面を描いた短編。