あらすじ
アドルシュタイン侯爵家の三女、エレナ・ヴァン・アドルシュタイン。
数字と事実を愛し、無駄を嫌う彼女には、どうしても理解できないものがあった。それは――人の感情。とりわけ理解不能なのが、情を優先する婚約者の第三王子・カイル殿下と、その浮気相手である男爵令嬢リリアだった。
そんなエレナはある夜、大勢の貴族が集まる夜会で、婚約者であるカイル殿下から婚約破棄を言い渡される。けれど、エレナは泣きも怒りもしなかった。
「承知いたしましたわ。では、退職金をいただくこととしましょう」
これまでの婚約という名の労働と成果を精算し、さっさと立ち去る――はずであった。しかし、エレナの功績は、ゼーマン伯爵の手により無きものとされてしまう。
合理性だけでは説明できない選択。
損得だけでは測れない執着。
「感情とは、やはり実地調査が必要なようですわね」
これは、最強だけれどデリカシーのない令嬢エレナが、感情を観測していく物語。そして――「猛獣姉妹」と呼ばれる三姉妹を中心に紡がれる、アドルシュタイン家の物語である。
※他を読まなくても、エレナ編だけでも成立しています
※章完結までは毎日更新予定
※初回は数話時間をランダムに更新