あらすじ

ピアノへの情熱を失いかけていた音大生・成田は、ある夜、友人に誘われて訪れた店で火災に巻き込まれる。 その避難の最中に転落してしまい、半グレの男・森と衝突した。 次に目を覚ましたとき、彼は森の身体になっていた。 肌も、髪も、目に映る世界の色も、聞こえる音さえ、以前とはまるで違っていた。 そして知る。 元の自分はすでに死に、その身体は火葬されてしまったことを。 戻る場所を失った彼に残されたのは、森という男の身体。 しかし森は、所属する半グレ組織に多額の損失を与え、その落とし前を迫られていた。 身に覚えのない罪を背負わされた成田が、生き残るために差し出せたもの。 それはかつて夢中になり、いつしか情熱を失っていたピアノだった。 白い鍵盤は黄色く染まり、黒い鍵盤は緑に見える。 耳を打つのは旋律ではなく、不協和音。 昨日まで当たり前だった五感は、もう自分のものではない。 違う身体。違う指。違う色。違う音。 何もかもが以前とは違う世界で、成田はもう一度、鍵盤に触れる。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/14
  • 現在の作品グッバイミー・ハローミー ―僕が死んだ世界で、他人の体で生きる―