あらすじ
トランプは、ただの52枚のカードである。ところが人間に配ってみると、ババ抜きでは嫌なものを他人へ押しつけ、七並べでは一枚のカードで他人の進路を止め、大富豪では階級社会を作り、ダウトでは嘘を疑い、ポーカーでは自分の情報を隠し始める。
しかも、よく見ると会社でも似たようなことを毎日のようにやっている。ババ抜きは「誰もやりたくない仕事の担当者決め」。七並べは「承認待ち」。大富豪は「社内政治と資源配分」。神経衰弱は「前にも言いましたよね」。インディアンポーカーは「人事評価」。戦争は「配属ガチャ・上司ガチャ・案件ガチャ」。
本作では13種類のトランプゲームについて、基本ルール、勝つために必要な能力、強いタイプ、カモにされるタイプ、向いている職業、職場で見かける場面まで、人間観察と社会人風刺を交えながら解剖していく。そして13ゲームの先に待つJOKERは、対戦相手すらいない「トランプタワー」。
たった52枚で、なぜここまで人間社会が再現できるのか。たぶん面白いのは、カードではない。人間のほうである。