あらすじ

じいちゃん、お父さん、お母さん、息子、娘——五人家族と暮らす一匹の犬・タロ。心の中の声だけは、なぜか時代劇のお侍のような口調で|喋《しゃべ》る。理由は、じいちゃんが毎晩欠かさず見ているあの手の番組の影響——だと、本犬は思っている。 実際に出す声は、「わん」だったり「ヴァオオオオオン」だったりと、犬そのもの。|序列《じょれつ》にうるさく、|忠義《ちゅうぎ》に厚く、そのくせ家族の誰よりも家族の機微には疎いタロは、五人それぞれに違う顔を見せながら、代わり映えのない毎日を送っていた。 だが、繰り返される「散歩」という日課の中で、少しずつ、確かに、何かが変わっていく。それは、じいちゃんの歩みかもしれないし、タロ自身の脚かもしれない。 これは、一匹の犬が見つめた、ある家族の、ありふれていて、かけがえのない記録。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/14
  • 現在の作品半歩後ろ