あらすじ

中学時代、美雨には好きな人がいた。 放課後の校庭を走っていた、陸上部の春樹くん。 毎日のように教室の窓から彼を見つめていたのに、結局「好き」の一言を伝えられないまま卒業した。 卒業式の日に書いた手紙も、渡せなかった。 それから五年。 大学二年になった美雨は、キャンパスのグラウンドで偶然、春樹を見つける。 もう自分のことなど覚えていない。 そう思って立ち去ろうとした美雨の背中に、懐かしい声が届いた。 「……美雨?」 春樹は、美雨のことを覚えていた。 それどころか―― 「中学の時も、こうやって見てたよね」 美雨がずっと彼を見ていたことまで、知っていた。 しかし再会した春樹は、高校時代に痛めた右膝への恐怖から、以前のように走れなくなっていた。 一方、美雨にも誰にも言えない夢がある。 小説を書くこと。 「俺が、もう一回ちゃんと走る。だから美雨も、いつか俺に読ませてよ」 走ることが怖い春樹。 自分の物語を誰かに読まれることが怖い美雨。 五年前に言えなかった「好き」と、渡せなかった二人の言葉。 これは、一度も始められなかった初恋を、大学でもう一度始める物語。

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小説を読もう2026/08/14
  • 現在の作品好きと言えなかった初恋の春樹くんが、大学で私を見つけてくれました