あらすじ
古希を迎えた親父が、愛車ST250にまたがり、愛知・渥美半島から京都を目指す。
旅の目的は、京都で暮らす娘たちに会うこと。
道の駅を巡り、海沿いの道を走り、山深い峠を越える。
伊根の舟屋、若狭の海、そして歴史ある鯖街道――。
風景の中に刻まれた人との出会い、若き日の記憶、そして家族への想い。
バイクの鼓動とともに、忘れかけていた人生の大切なものが、少しずつ蘇っていく。
かつては家族を守るために働き続け、自分の夢を後回しにしてきた男。
しかし還暦を前に、再びバイクに乗る人生を選んだ。
憧れだった大型バイクを手に入れた時の高揚感。
そして今、相棒に選んだのは、軽快な250ccのST250。
速さや豪華さではなく、今の自分だから感じられる風がある。
旅の終着点で待っていたのは、成長した娘たちの笑顔だった。
火事を乗り越え、不慣れな京都の地で懸命に働きながら、自分たちの人生を歩む娘たち。
その姿を見た父親の胸に込み上げるものとは――。
これは、バイク旅の記録であると同時に、
一人の父親が家族へ贈る「心の手紙」である。
人生はいくつになっても、新しい道へ走り出せる。
道の駅から始まる旅は、まだ終わらない。