あらすじ
戦国の世。
小さな国を治める姫・きらりは、今日も少し変わったことを考えている。
「虎次郎、この国、売ったらいくらになる?」
「姫様、国は売るものではございません」
そんな姫様を支えるのは、忠義に厚く、何でもそつなくこなす家臣・虎次郎。
二人が暮らす小さな国の外では、隣国同士が争い、同盟国からは無理難題が届き、遠くでは戦の気配が少しずつ近づいている。
けれど、そんなことはさておき。
きらりは今日も妙なことを言い出し、虎次郎は今日も優しくそれを止める。
「虎次郎、城を引っ越そう」
「姫様、それも簡単にはできません」
淡々と続いていく、二人の何気ない毎日。
笑ってしまうような会話の裏側で、国の情勢は少しずつ変わっていく。
そして、そんな虎次郎の気持ちには――
どうやら姫様だけが、まだ気づいていない。
戦国風の世界を舞台にした、姫と家臣、二人だけの会話劇。
一話一場面。
短く読めて、ちょっと笑える。
たまに、少しだけ胸が温かくなる。
そんな二人の日常を、どうぞお楽しみください。