あらすじ
目を覚ますと、そこは異世界だった。
――しかも俺は、公爵令嬢になっていた。
現代で警察官として働く陽斗は、ある日突然、異世界の公爵令嬢マルグリットと身体が入れ替わってしまう。
一方のマルグリットもまた、陽斗の身体で現代へ。
元の身体に戻る方法は分からない。
ただ眠っている間だけ、二人は不思議な夢の中で会話することができた。
王太子との婚約、貴族社会、公爵家、騎士団――。
何も分からない世界に放り込まれた陽斗だったが、警察官として身についた現場感覚と、持ち前の「無駄に争わない」「必要なら一歩下がる」という処世術で、マルグリットの人生を勝手に歩き始める。
ところが、婚約破棄をあっさり受け入れ、剣術を始め、騎士団へ関わり、家族との関係まで変えていった結果――
なぜか騎士団から信頼され、社交界では女性貴族から好かれ、気づけばマルグリットの人生がとんでもない方向へ。
その頃、現代では。
陽斗の身体に入ったマルグリットが、警察組織の理不尽さにブチ切れていた。
「どうしてあなたは何も言わないの!?」
「いや、組織ってそういうもんだから……」
「知らないわよ! あんなクソ上司!」
「お前、口悪くなったな……」
異世界では警察官が公爵令嬢として好き勝手に。
現代では公爵令嬢が警察官として好き勝手に。
互いに文句を言いながら、相談しながら、時には相手の人生を勝手に変えながら。
二人は少しずつ、自分にはなかった生き方を知っていく。
これは――
王太子に選ばれることだけが人生だった公爵令嬢と、
理不尽なことも「まあいいか」で飲み込んできた警察官が、
互いの人生を勝手に歩いたことで、自分自身の人生を選び直していく物語。
そして今日も二人は、夢の中で顔を合わせる。
「お前、俺の身体で何してんだよ」
「あなたこそ、私の身体で何したのよ!」
『異世界ポリスは今日も夢で会う』――通称、いせポリ。
異世界と現代。
二つの世界をまたいだ、入れ替わり異世界コメディ&人生再構築譚。