あらすじ
市役所の年金課長・井手五郎。職場ではひょうきんでおちゃめな上司として振る舞い、休暇理由も「痔の治療」と冗談めかして話していたが、実は妻・志乃が膵臓ガンで入院していた。
日に日に病状が悪化し、腎臓へ転移して透析が必要となる中、互いに相手を思いやるがゆえに明るく振る舞い続ける夫婦。志乃は夫の生活を心配し、独身の親友・京子に五郎の食事の世話を頼む。しかし、悲しみと看病の疲弊に苛まれる五郎と、彼を支えようとする京子との距離は徐々に縮まっていき……。
30年前の甘酸っぱい出会いの記憶と、残された命のカウントダウン。それぞれの優しさと嘘が交錯する中で迎える、夫婦の切なくも温かい愛の物語。