あらすじ
王立夜会にて、聖女毒殺未遂の濡れ衣を着せられた公爵令嬢アンヌ。
「精霊に愛されない魔力ゼロの出来損ない」と罵る婚約者ルイーズ王子から婚約破棄を言い渡され、彼女は人類の禁足地『百鬼の魔境』へ即日追放されてしまう。
「魔物に喰われて骨も残らぬように果てるがいい!」
そう吐き捨てられたアンヌだったが、彼女は取り乱すこと無く静かに微笑んでいた。
なぜなら、アンヌは王国の誇る「魔法」が世界の表面をなぞるだけの欠陥品であることを、すでに知っていたからだ。
魔境に足を踏み入れ、襲い来る巨獣に絶望しかけたアンヌ。
だが、その窮地を救ったのは猛威を振るう魔物ではなく――九尾の狐をはじめとする伝説の「妖怪」たちだった!
「魔法など子供のおままごと。理(ことわり)を知るお前には、真の力『妖術』を授けよう」
アンヌが生まれ持っていたのは「魔力」ではなく、世界の因果や概念そのものを書き換える「霊力」。
その圧倒的な才能を開花させた彼女は、緻密な知性と妖術を組み合わせ、瘴気に満ちた不毛の魔境を瞬く間に奇跡の「桃源郷」へと変貌させていく。
一方で、実務の要であるアンヌを失った王国は、魔法では対処できない「霊障」と自滅により急速に崩壊を始めていた。
焦ったルイーズ王子はサナス皇国と名を変えた桃源郷へ侵攻を開始するが――
「物理を捻折り、魔法を無効化する。……これが、あなたがたの知らぬ『妖術』です」
魔法の常識を遥かに超越した「理外の力」で、愚かな元婚約者と浅薄な魔法王国を叩き潰す!
追放された元無能令嬢が、あやかしの皇として世界を導く最高潮のカタルシスファンタジー、開幕!