あらすじ
「いいか、私の仮面を外した姿を見たら命はないと思え」
実家から『冷徹な死神』と恐れるギルバート公爵の元へ、厄介払いとして嫁がされた伯爵令嬢のスイ。
初夜にテンプレ通りの冷酷な脅し文句をぶつけられるが、彼女は怯えるどころか内心ウキウキだった。
なぜなら彼女の前世は、下町の定食屋でフライパンを振っていた、飯テロ大好きな料理人・軽海粋だったから!
「プライベート干渉禁止? 了解です! 命が惜しいので仮面には触りません!」
自由を得たスイだったが、城の食事が「味のしないゴム」のように不味いという致命的な問題に直面する。
我慢の限界を迎えた彼女は、深夜の厨房に忍び込み、前世の技を詰め込んだ『特製・鮭おにぎり』を握ることに。
炊きたての米と海苔の香りに釣られて現れたギルバートに、やけくそで「夜食にいかがです?」と差し出したところ――
仮面をずらして一口食べた瞬間、冷徹な死神の背中が猛烈にフリーズした!?
翌夜から、厨房に行くとすでに椅子に座って待っている公爵様。
しかも「仮面が自重で落下した」と言い訳しながら、自分で率先して仮面を外して待つのをやめてください!
混ぜ込み生姜しぐれ、卵黄醤油漬け……。
毎晩スイの握るおにぎりをリスのように頬張る旦那様は、いつしか冷酷さを忘れて甘々過保護な食いしん坊に変貌していき――?
さらには、スイの愛情と無自覚な魔力がこもったおにぎりを食べ続けた結果、公爵様の顔に呪われた不気味な紋様まで綺麗に消え去ってしまい……!?
現れたのは、国宝級の超絶絶世の美男子だった!
「お前のおにぎりがなければ、私はもう生きていけない。……いや、お前が愛おしくてたまらないんだ」
胃袋を掴んだつもりが、国宝級の美顔でゼロ距離まで迫られてプロポーズされるなんて聞いてません!
元アラサー料理人の図太い令嬢が、胃袋一つで冷徹公爵をハイスペ溺愛夫に調教(?)してしまう、深夜のお夜食ラブコメディ。