あらすじ

路地裏で目を覚ました少年には、自分の名前以外の記憶がなかった。 「透……」 意識が遠のく中、誰かにそう呼ばれた気がする。 けれど、その声が誰のものなのか、自分がなぜそこにいたのかさえ分からない。 そんな透を見つけたのは、一人の女性警察官――想ノ瀬 麗(おもいのせ うるは)だった。 「名前は?」 「……多分、透です。苗字はわかりません」 身元を示すものは何もない。 家も、家族も、過去もない。 身元不明の少年として保護された透は、麗と関わる中で少しずつ日常を取り戻していく。 そして、麗から新たな名字を与えられる。 ―― 想ノ瀬 透(おもいのせ とおる)。 それは、透にとって初めて与えられた「居場所」だった。 しかし、透にはまだ知らない秘密がある。 なぜ、自分は記憶を失っているのか。 あのとき自分を呼んだ声は誰なのか。 そして――なぜ、自分には「記憶を代償にして力を使う」異能があるのか。 力を使うたび、何かを失っていく。 強くなればなるほど、自分自身から遠ざかっていく。 これは、失った記憶を探す少年と、彼に居場所を与えた女性の物語。 ――その力で最後に失うのは、いったい何なのか。

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カクヨム
カクヨム2026/08/14
  • 現在の作品力を使うたび、僕は記憶を失う それでも僕は、この世界で生きていく。