あらすじ
クラリス「今回は何を殴る?」
イオリ「まず殴る前提をやめてください」
クラリス「じゃあ、お前が調べろ。私が殴る」
イオリ「……せめて、調査結果が出るまで待ってください」
世界は救える。厄災も直せる。問題は、その費用が経費で落ちないことだ。
人が死ぬ。街が壊れる。
世界には、“厄災”と呼ばれるバグがある。
それを直すのが、天界の技術調査員アサヒ・イオリの仕事だ。
――ただし、世界を救うための費用まで経費で落ちるとは限らない。
派遣先の異世界ルナリアでイオリが出会ったのは、聖歌を歌わず、巨大な槌《カンパネラ》で怪異をぶん殴る聖女クラリス。
鐘楼に響く、存在しない十三回目の鐘。
人の悪意を吸い上げ、報復を連鎖させる怪異。
食料も水も十分にあるのに、「足りない」と叫びながら飢えて死んでいく人々――。
厄災によって、その法則も攻略法も違う。
音と振動を制する聖女。
命を繋ぎ止める聖女。
秩序と法を操る聖女。
魔道具を作り変える聖女。
誰と組むか。
どの能力を使うか。
何を壊し、何を守るか。
常識では処理できない“世界の不具合”を前に、イオリは解析と管理者権限を駆使し、個性も専門もバラバラな聖女たちと、その厄災に最適な答えを探していく。
だが、管理者権限は有料。
緊急使用は事後申請。
証拠書類と正式な報告書は必須。
しかも下手をすれば、世界を救った費用が個人立替になる。
命を救うためなら、必要な権限は使う。
払うかどうかは、そのあと全力で争う。
これは、世界のバグと人間の業を修復しながら、ついでに自分の財布も必死で守る天界調査員と、個性豊かな聖女たちの厄災巡礼。
――なお、旅費が経費で落ちる保証はない。
別冊付録
『聖女たちと征く 厄災巡礼』
――今こそ訪れたい、七つの滅亡スポット
【第5プラント周辺】
「鐘の音を聞きながら楽しむ♪ 地元民おすすめ絶品グルメ」
※精神干渉により、隣席との殺傷事件が発生する場合があります。
「蒼月が映える! 一度は訪れたい絶景スポット」
※撮影中、身に覚えのある恨みを思い出す場合があります。