あらすじ
49歳の迫水真司は、急遽ジャガーズ早島のGMに抜擢された。
だが、ジャガーズは年間3億円規模の予算を投じられながら、観客の半数以上を無料招待に頼る、「名ばかりのプロチーム」だった。
親会社の日本紡績は、1年後のチーム売却を決定。売却額は1億円。それは土地と建物の額に過ぎず、ジャガーズそのものは「0円」と査定された。
「俺たちは0円じゃない!」
売却自体は止められない。迫水は売られるまでの一年でチームの価値を作ることを決意する。
そのために必要なのは日本一の勝負師を監督にすることだった。
高校サッカーを二連覇しながら、時代遅れの指導者として更迭された平瀬隆造。迫水は彼の勝利への執念こそジャガーズに必要だと見抜き、監督に招聘する。
怪我でプロへの道を閉ざされ山梨で燻っていた沢田亮介、元日本代表ながら戦力外となった窪田敏充を獲得。
経営を担う迫水と現場を担う平瀬は、互いの強みを武器に、弱小チームを変えていく。
奇抜な音声を流すラッピングバスを街中に走らせ、スポンサーのロゴを刻んだネームプレートを全身に付け、商店街を巻き込み、早島をレモンイエローに染める。
選手たちも平瀬に導かれ、勝利によって自らの価値を証明していく。
観客は増え、街は変わり、チームはJFLを制覇する。
しかし優勝しても、売却は覆らない。
それでも一年間で作り上げた「価値」は消えなかった。
新オーナーのシルバーブルーメはジャガーズを評価し、SBジャガーズ早島としてJ3へ参入。迫水もGMとして残留することになる。
価値がないと切り捨てられた男たちが、自分たちの手で価値を作った一年間。
その証として、迫水の穴だらけになったスーツは「ジャガーズの原点」としてクラブハウスに飾られた。