あらすじ

中世社会のファンタジー世界、その世界の時間を進めて現在。 社会の仕組みは絶対君主制から立憲君主制へと変わる。冒険者たちは剣を帯びることもなく「なんでも屋」と化し、魔法使いたちも大学や企業の研究職となっている。極めて我らの現代社会に似ている様相ではあるが、変わらずこの世界には、神や人のほかにエルフやドワーフ、亜人、ドラゴンに精霊、怪物たちが存在している。そしてそれらは、時々小競り合いはしているが、おおむね平和に共存できる社会を作り上げているのであった。 そして、ここに主人公、イミキ=ナガノがいる。初老のこの男は、毎夜バーの末席で酒を飲む生活。彼は、この世界の若者を勇者へと導く老賢者なのだろうか?それとも役に立たない放言をする、ただの飲んだくれの小言爺さんなのであろうか・・・? 主な登場人物 イミキ=ナガノ:初老の男。主人公。歳は五十代半ば。その容姿は、皺の刻まれた整った顔立ち、清潔感と野生感を備えた服装、身に着けるガジェットは主張しないが高級品、異性からも同性からも一目置かれて、まさにイケているおじさんである。「老いてからイケてる」その姿は「老いてもモテたい」という彼の欲望か、それとも「老いに直視できない」自身への恐れなのか。わかっているのは、今の彼の容貌は「よくできたセルフプロデュース品」であるということだ。そして彼はそれを自覚している。 バーのマスター:若い男。三十代前後。経営者ゆえ他の同年代の男性よりもしっかりとしているように見える。背が高く、ハンサムである。そしてオシャレ。職業柄、社交的で会話上手。 常連客の女1:若い女。商社勤務の営業。顔立ちに少し幼さを感じるが、この社会で立派に働く国民である。この世界は理性的で自由、反差別の社会である。ゆえに毎夜、仕事終わりのひと時に、男も女も、老いも若きも、様々な職業の人も、共にバーにて飲み語らえるのである。 常連客の女2:中年の女。最高裁判所判事。この世界の社会は、男も女も結婚以外の人生の選択を許されている。所帯を持たなくとも社会的地位が低く扱われることはない。独身の生き方も家族を持つ生き方も等しく評価されている。ただ、個人の能力と責任のみを問うのである。 男の客:若い男。冒険者。冒険者といっても腰に剣を帯び、ギルド依頼で魔王討伐やドラゴン退治、盗賊征伐の仕事をすることはない。自分で様々な依頼を探して受けて、現地に行って仕事をこなし、対価の報酬で生活する。フリーランスという収入の不安定さはあるが、安全で合法的な職種なのである。昔からの慣習で「冒険者」という職業名が残っている。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/14
  • 現在の作品老人は独り笑う