あらすじ
イタリア半島の都ラヴェンナ。東ゴート王国の王宮に、偉王テオドリックの死を告げる鐘が鳴る。王座を継いだのはまだ八歳の孫アタラリック。その傍らで国政を預かるのは、彼の母アマラスンタであった。
ゴートの血と王家の誇りを負って育った彼女は、父が築いた秩序を守り通すことを自らの務めと定める。
アマラスンタが頼みにするのは、力ではなく知であり、情ではなく法であった。だが剣と武勲を誇りとする戦士たちにとって、そのやり方は必ずしも強さとは映らぬ。息子を守ろうとする母の思いと、国を守ろうとする摂政の判断。その二つが次第に周囲とのあいだに深い溝を生んでいく。
東ゴート王国と東ローマ帝国、ローマ法とゴートの慣習、母としての情と王家の後継を守る責任。揺らぎ始めた均衡の中、アマラスンタは孤独な戦いを続ける。その選択がやがて海を越えた都と戦場を動かし、イタリアの行く末を決めることになるとは知らぬままに。
※本作は史実を基にしつつも、創作上の改変を含む。
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