あらすじ

悪役継母は、五年後に断罪される。 そう決まっていると気づいたのは、継娘の頬を打とうと手を振り上げた瞬間だった。 手が、途中で止まった。 戻ってきたのは前世の記憶だ。 人事部で十年、人を評価し、切る書類を扱ってきた。 決めるのはいつも上で、実行して名前が残るのは自分だった。 この家でも同じだ。 継娘を追い落とす筋書きを描いたのは叔父で、わたくしはただの実行役。 ならば話は早い。 ユリアーナは十二歳の継娘に、取引を持ちかける。 返ってきたのは三つの条件だった。 守らないこと、嘘をつかないこと、途中でやめないこと。 虐げる側と、虐げられる側。 そのふたりが共犯になる。 朝の献立表の人数が、二に書き換えられる。 隅の部屋から屋敷を数え続けていた子どもが、数字を差し出してくる。 三年会っていない夫からは、便りが一度もない。 そういう人なのだと、ずっと納得していた。 封の切られていない手紙の束を見つけるまでは。 あの子が数えていたのは、屋敷の出入りだけではなかった。

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小説を読もう2026/08/14
  • 現在の作品悪役継母に転生したので、継娘と組むことにしました