あらすじ
魔族と人が争いを続けた果てに、不可侵条約を交わしてから二十年。
第一王子の近衛騎士であるランレイスは、どの騎士隊にも属さない王子専属騎士ディオレードを心底嫌っている。
それはディオレードが父から魔族の血を受け継ぐ半魔であるから──ではなく、王国最強の騎士の証である『金騎士』の称号を持つくせに、傲慢・怠惰・粗暴というまるで他の模範にならない彼の勤務態度が気に入らないからだった。
ある日、事件に巻き込まれたランレイスは、傷を負ったディオレードの血を大量に浴び、それを飲み込んで倒れてしまう。
怪我など全く消えてしまっているディオレードの部屋で目を覚ましたランレイスは、飲み込んだ魔族の血のせいで呪われ、頻繁に急激な魔力枯渇を起こす体になっていた。
症状を抑えるには、再びディオレードの血を飲み魔族の魔力を取り込むしかないと言う。
かつて最強の『金騎士』だった今は亡き父の背を追うランレイスは、『銀騎士』の称号までは手に入れており、まだ騎士を辞めたくはない。
ディオレードは、半魔である事を気にせず真っ直ぐに向かってくるランレイスに対し、密かに執着とも言える他に変えられぬ想いを抱えており、彼の騎士生命を守るため共同生活を提案する。
「お前がまだ騎士でいたいなら、俺に生かされるしか道はないぜ」
「くそ、最悪だ。何で私がお前なんかに」
「ははっ、それ俺の台詞だろ。最強の俺が二位の面倒を見るなんてな──ほら、ありがたく飲めよ」
ランレイスは彼との生活の中で、徐々に半魔であるディオレードが置かれている状況や、不可侵条約を破り不穏な動きを見せる魔族がいる事を知り──?
「ランレイス、お前は本当になーんもわかってねぇな。そのまま……ずっと俺を追い掛けてろよ」
「言ってろ。すぐに私を追い掛ける側にさせてやる」
真面目で志高いランレイスと、言葉とは裏腹に彼の事を心底気に入っているディオレード。
喧嘩を繰り返し絆を深める二人のブロマンス作品です。