あらすじ

協会本部が、三度目の緊急再査定会議を開いている。議題は毎回おなじだ。  ――あれをE級と査定したのは、誰だ。  二〇〇五年、「アリゾナ最恐最悪」と呼ばれた吸血鬼ヴェッキーは、たった一人の男に敗れ、グランド・キャニオンの地面の下に埋められた。同じ夜、彼の記録は協会のデータベースから一行残らず消された。  十年後。掘り起こされた男に渡されたのは、一枚の査定書だった。  ――危険度E級。放置可。出動の必要なし。  本人は、どうでもよかった。腹が減っていた。トマトジュースが飲みたかった。自分を埋めた男を捜して、ルート66を東へ行く。それだけだ。 「アンタがどれだけ恐ろしかったか、アタシだけが知ってる」  世界でただ一人そう言える少女が、赤いミニクーパーの運転席にいる。  彼は強くなったりしない。十年前から完成している。  ただ、敵を仕留めるたび、協会の格付けが勝手に書き換わっていく。E、D、C、そして飛び級のB――そのたびに無線がざわつき、報告書が積み上がり、査定書に判を押した人間の名前が掘り返される。  本人だけが、最後まで振り返らない。  空欄だったS級の欄に、彼の名前が書かれるまでの――大陸横断ロードムービー。

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カクヨム
カクヨム2026/08/14
  • 現在の作品[完結]最強吸血鬼のおっさん、査定「E級・放置可」〜本人は無自覚のまま、世界遺産の力で再評価無双が止まらない〜