あらすじ
侯爵令嬢リディアは、幼い頃からの婚約者アルベルトを心から大切に思い、彼が困らないよう何年も支え続けてきた。夜会の予定を整え、取引先への贈り物を選び、忘れがちな手紙を確認し、社交の失敗までさりげなく補う。すべては、将来夫婦になる彼の力になりたいと思っていたからだった。
そんなある日、リディアは偶然、アルベルトが友人たちに自分のことを話しているのを耳にしてしまう。
「リディアは少し世話を焼きすぎるんだ。あれくらい誰にでもできるだろう」
その言葉を聞いた瞬間、リディアの中で何かが静かに切れた。
自分が好きでしていたことだからこそ、当然のように扱われるのは違う。
「あなたのために尽くすのは、今日で終わりにいたします」
そう告げたリディアは、それまでアルベルトのために使っていた時間を少しずつ自分自身へ向け始める。
一方、突然リディアの助けがなくなったアルベルトは――。