あらすじ
年に一度の「森の音楽会」に向けて、森の音楽堂では楽器たちが練習に励んでいました。華やかなタンバリン、大迫力の大太鼓、美しいメロディーを奏でる木琴やピアニカ、涼やかなトライアングル。そして、表拍子でみんなのガイドとなるカスタネットのカスターワン。
そんな中、裏拍子を担当するカスタネットのカスターツーは、「自分は小さく音を鳴らすだけで、誰も気づいていない。いなくても同じなのでは」と悩み、自信をなくして練習を休んでしまいます。
カスターツーがいない練習では、全員が正しく演奏しているはずなのに、なぜかタイミングが合わずリズムがバラバラになってしまいます。カスターツーを探しにきた仲間たちから「カスターツーがいないと足元がふわふわして安心して演奏できない」と打ち明けられ、さらに指揮者のふくろう先生から「裏拍子は目立たなくても、みんなの音をつなぎとめる大切な役割がある」と教えられたカスターツーは、自分の存在の大きさに気づき、再び演奏に戻る決意をします。
本番当日、カスターツーがしっかりと裏拍子を刻むと、すべての楽器の音が手をつなぐようにひとつにまとまり、森じゅうを感動させる素晴らしい演奏となりました。目立つ音も支える音も、どれも欠かせない大切な宝物なのだと知ったカスターツーは、誇りと喜びを胸にまたひとつ小さな音を鳴らすのでした。