あらすじ
俺の彼女、月島美月は売れないアイドルだ。
ライブの観客は二十七人。SNSのフォロワーは三千人ほど。
それでも美月は、いつか大きなステージで歌うことを夢見て活動を続けていた。
俺――高瀬悠真は、そんな彼女と高校時代から付き合っている普通の大学生。
ライブが終われば一緒にコンビニへ行き、俺の部屋でご飯を食べる。
美月はアイドルというより、どこにでもいる普通の彼女だった。
そんなある日、美月が何気なく投稿した一本の歌唱動画が突然バズる。
十八万再生。一万人のフォロワー。
そして、その勢いは止まらなかった。
テレビ出演、ドラマ、CM、大型ライブ――。
売れないアイドルだった俺の彼女は、少しずつ誰もが知る存在になっていく。
街中でデートすることも、一緒に大学から帰ることも、恋人だと公言することさえ難しくなっていく二人。
それでも美月の気持ちだけは、なぜか昔より重くなっていて――。
「百万人に好きって言われても、私は悠真の彼女だから」
これは、普通の大学生だった俺と、売れないアイドルだった彼女が、夢と恋の両方を諦めない物語。