あらすじ
西暦2051年。
政府への不信感は限界を迎え、相次ぐ大規模デモと悪政の中で、日本の実質的な終わりが迫っていた。
社会人歴7年。社会に馴染めず、失意のまま休職生活を送る26歳の男・黒木。
ある朝、彼の自宅の郵便受けに、宛名のない一枚の紙切れが投函される。
そこに書かれていたのは、一筋縄ではいかない無機質な「公文書番号」だけだった。
無為な日々を過ごしていた黒木は、ただの暇つぶしとして情報公開請求を行う。
しかし、手元に届いたのは、大半が黒塗りで潰されたただの「ゴミデータ」だった。
——だが、社会のレールを外れた男には「圧倒的な時間」と、生まれ持った「狂気的な分析力」があった。
黒塗りの隙間に遺された、わずかなデータの歪み。
たったそれだけの痕跡から、黒木は国家の最深部に眠る不正を手繰り寄せていく。
——しかし、黒木はまだ気づいていない。
画面の向こうで、彼が不正を解読する瞬間をじっと待っていた「誰か」の存在に。
『請求番号000』
暴力ではなく、データで革命を起こす一人の男の静かな物語。