あらすじ
【あらすじ】
全国二位の結果すら「一ミス」と切り捨てる、完璧主義の音ゲーマー・久瀬怜司。
異世界へ転移した彼を待っていたのは、魔力量で人間の価値が決まる世界だった。
体内魔力は完全なゼロ。
「役立たず」と判定された怜司は、古代遺跡調査隊の荷物持ちにされてしまう。
だが、誰も意味を理解できなかった千本腕の神像を見て、怜司だけは気づく。
――千本の腕は、神の姿ではない。
一人の術者が順番に結んだ、古代魔法の譜面だ。
手の形、順番、拍。
そのすべてを正確に再現した怜司は、自分の魔力を一切使わず、世界に満ちる魔力を操る失伝魔法を発動する。
高魔力のエリート魔術師が傷一つつけられなかった魔獣は、一曲の完全入力で消滅。
魔力ゼロの荷物持ちは、世界でただ一人、失われた魔法を奏でられる存在となった。
しかし、最初の譜面を攻略したことで、十二の封印曲を遺した魔王エルネリアまで目覚めてしまう。
「わらわの魔法を完奏できる者は、貴様しかおらぬ」
封印曲を取り戻すたび、声だけだった魔王は幼女、少女、そして美しく危険な女王へ成長。怜司を自分だけの奏者にしようと狙い始める。
しかも、彼を必要とするのは魔王だけではなかった。
主導権を譲らず、怜司を自分の拍に従わせたいツンデレ戦奏士・ザフィラ。
教会を追放され、怜司の隣でなら自分の歌が最も響くと知ったダウナー聖女・ノエラ。
命令どおりの最適解しか知らなかったはずが、いつしか自分の意志で怜司のそばを選ぶ美少女ゴーレム・セナ。
四人はそれぞれの理由で怜司を必要とし、誰一人として奏者の主導権を譕らない。
そんな癖の強すぎる即席楽団を率いて、怜司は二十一日後に迫る王都壊滅へ挑む。
だが、世界を救うために必要なのは、完璧な原曲をなぞる技術ではなかった。
正解だけを求めてきた男は、不完全な仲間たちと、存在しなかった続きを奏でられるのか。
これは、無価値と切り捨てられた音ゲーマーが世界唯一の奏者となり、魔王と三人の少女から求められながら、異世界そのものを編曲していく合奏バトル&ハーレムファンタジー。