あらすじ
吉原一の花魁、小紫。
美貌と機転、そして男を手玉に取る言葉を武器に、今夜も吉原で夢を売る。
だが、その紅の下には、十年前に実家「叶屋」を焼かれ、父を失った娘の顔が隠されていた。
父の死は、ただの火事ではない。
廻船問屋・黒金屋。
北町奉行所の役人たち。
そして、そのさらに奥に潜む男。
小紫は花魁として男たちの懐へ入り込み、酒と色と嘘の中から、一つずつ真実を拾い上げていく。
両国の花火。
深川八幡の水掛け祭り。
猿若町の芝居小屋。
華やかな江戸の町を舞台に、悪党どもとの化かし合いは、やがて刀と火薬まで飛び交う大騒動へ。
そして小紫の前に現れる火消し・新次。
「死んだら仇討ちもできねえ」
「余計なお世話だよ」
反発しながらも、いつしか二人は背中を預け合うようになる。
やがて小紫は、父の仇へ繋がる本当の黒幕に近づいていく。
ところが第五話。
その男の側から、思いがけない知らせが届く。
「小紫を三千両で身請けする」
追っていた相手が、今度は自分を買おうとしている。
小紫は笑う。
「買った男と、買われた女。最後にどちらが高くつくか――」
吉原の花魁が、江戸の男たちを色と知恵と言葉で裁く、痛快時代活劇。
※本作は、筆者の小説版『恋染紅の千代紙細工 ~廓の花魁、男裁き~』を、漫画原作コンテスト応募用に漫画原作脚本として再構成・改稿した作品です。