あらすじ
魔王を倒し、「白銀の勇者」として大陸に名を轟かせた女勇者エレナ。
だが今の彼女はレベル1。力も、名誉も、居場所も失い、雨の路地裏でゴミを漁るまでに落ちぶれていた。
そんな彼女の前に現れたのは、一人の魔族。
復讐するでもなく、罵倒するでもなく――ただ、タバコを吸う男だった。
「一本吸う?」
その妙に軽い一言から始まった会話は、やがてエレナが信じ続けてきた「正義」そのものを揺さぶっていく。
正義とは何か。悪とは何か。
そして――「善悪相殺の理」とは。
雨の路地裏で、元最強の女勇者とタバコを吸う魔族が語る、善悪についての短い話。