あらすじ

紹介文 「ねえ、れん兄――どうして最近、私のこと避けるの?」 中学生になってから、急速に遠くなってしまった幼馴染の背中。 身長が伸びて「男の人」になっていく蓮先輩と、子ども扱いされたくない葵。 気まずい沈黙を切り裂いたのは、真夏のゲリラ豪雨だった。 逃げ込んだ狭い神社の庇(ひさし)の下、密着するふたりの距離と、雨の音に隠した本当の気持ち。 一本の折りたたみ傘と濡れた右肩が織りなす、夕立が止むまでの甘酸っぱい青春ラブコメディ。 あらすじ 中学三年生の夏。部活を引退し、受験勉強に追われる日向蓮(ひなた・れん)は、ここ最近、二軒隣に住む幼馴染の有村葵(ありむら・あおい)を避けてしまっていた。この春に同じ中学校へ入学した葵は、背が伸びて男らしくなった蓮に戸惑い「先輩」と距離を置くようになり、蓮もまた、急速に大人っぽくなる葵を異性として意識するあまり、どう接していいか分からなくなっていたのだ。 猛暑の夕方、通学路で鉢合わせた二人は、気まずい空気のまま歩を進める。しかしその時、空が俄かにかき曇り、激しいゲリラ豪雨が二人を襲う。 なりふり構わず駆け込んだのは、通学路の脇にある小さな神社の狭い庇の下。 逃げ場のない小さな屋根の下で、肩が触れ合うほどの密着空間に閉じ込められた二人。濡れた制服、雨の匂い、そして雨音にかき消されそうな互いの鼓動。 「なんで最近避けるの?」「別に避けてねぇし」 素直になれない子供っぽい言い合いから、少しずつ溢れ出すお互いの本当の気持ち。雨宿りの時間が、二人を隔てていた頑なな壁を少しずつ溶かしていく。 雨が小降りになり、蓮がカバンから取り出したのは一本の小さな折りたたみ傘。相合傘での帰り道、葵を濡らさまいと自分の右肩を濡らしながら傘を差す蓮の優しさに、葵の胸は強く締め付けられる。 雨が上がり、茜色の夕焼けと大きな虹がかかる頃、二人の間には昔とは少し違う、甘くて新しい関係が走り始めていた――。

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カクヨム
カクヨム2026/08/13
  • 現在の作品相合傘の右肩は、夕立に濡れて