あらすじ

侯爵令嬢ローザリンデは十年、王宮薬室で侍医長クルトの「助手」として患者の処方記録を担ってきた。 だがクルトは「下女の真似事」と嘲り、彼女を辺境に追放する。 ローザリンデが去って三ヶ月。王が急発作を起こした夜、クルトは過去の処方記録を繰った。 だが記録の半分は「読めない記号」で書かれていた——それはローザリンデが独自に開発した症状コード。 ラテン語の正規記録と並列して書かれた、体質・薬量補正・蓄積効果の三層記号。 その解読表は、辺境にしかない。 「読めない記録は、記録ではございませんわ」 王宮の早馬が雪原を駆ける夜、ローザリンデは老薬師の工房で、もう一冊の手帳を金庫に収めていた。

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小説を読もう2026/08/14
  • 現在の作品「『お前の調合など下女の真似事』と笑った王宮侍医が、十年分の症状コードを一字も読めなかった夜」