あらすじ
とある町に、一軒の鍛冶屋がある。
火を熾し、鉄を熱し、槌を振るう。
剣も打てば、包丁も打つ。農具だって修理する。
そんな、ごく普通の町の鍛冶屋。
少し変わっていることがあるとすれば――
そこには、吸血鬼の見習いがいる。
見た目は若者。けれど、彼がこの鍛冶屋で働き始めたのは、ずっと昔のこと。
初代に弟子入りし、
二代目にも弟子として学び、
今の師匠は、三代目。
生まれた頃から知っている男に今日も怒られながら、吸血鬼は槌を振るう。なぜ吸血鬼が鍛冶屋にいるのか。いつから生きているのか。どうして三代にわたって、この家にいるのか。
そんなことはひとまず置いておいて。
今日も注文は入るし、鉄は冷める。
失敗すれば怒られるし、腹が減れば飯を食う。
これは、三代続く町の鍛冶屋と、
いつまでも歳を取らない一人の見習いの日々。
『鍛冶屋三代、不死一人。』