あらすじ

永禄三年(一五六〇年)春――戦国の世。 薩摩を飛び出した流れ商人・湊屋弥三郎が、商都・堺へと流れ着いた。 店なし、船なし、仲間なし。持っているのは八十貫文の銭と、短銃、短弓、鎖帷子。そして誰にも負けぬ商才と、海と鉄砲についての知識だけ。 そんな弥三郎が最初に掲げた目標は、天下統一でも大名への仕官でもなかった。 「まず、小早船を三隻買う」 薩摩から持ち込んだ硫黄を売り、品物を安く仕入れて高く売り、時には自ら船を操り、鉄砲を撃ち、海賊や商人、大名たちを相手に商談をまとめていく。 折しも、駿河の大大名・今川義元が尾張への侵攻を開始しようとしていた。桶狭間、美濃攻略、上洛――歴史が激しく動けば、物流も相場も動く。 侍たちが城と領地を奪い合うなら、弥三郎が狙うのは海と商い。 一隻の小早船はやがて船団となり、瀬戸内、博多、平戸、そして南蛮へ――。 これは八十貫文から始まった一人の薩摩商人が、戦国大名とはまったく違う方法で天下を駆け上がる、戦国商人立志伝である。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/13
  • 現在の作品戦国商海録