あらすじ
魔族を統一し、王となった男には、終わりがなかった。不老不死の魔王は、旱魃を治め、水路を引き、法を定め、幾多の反乱と、疫病による壊滅的な被害を乗り越えながら、幾世紀にもわたって統治の形を作り替え続けてきた。
時に王を立てて権限を手放し、時に圧倒的な力で脅威をねじ伏せ、時に民の声に直接耳を傾ける。正解のない統治を、何百年も一人で背負い続けた孤独が、彼を静かに蝕んでいく。
そしてやがて、海の向こうに広がる新たな大陸で、彼は「まだ出会ったことのない誰か」と、初めて対峙することになる――。
物語は、魔王が王となったあの日から始まり、いつか放たれる「勇者よ、世界の半分をくれてやろう」という一言へと、静かに収束していく。不老不死の孤独と、統治者としての選択を描く、文明興亡サーガ。