あらすじ
「無能皇子」と呼ばれた少年には、誰にも知られていないもう一つの顔があった。
ノクシア帝国の第六皇子、オリオン・ソラリス。
銀色の髪と紅い瞳を持つ彼は、魔法の才能を一切持たない「帝国最弱の皇子」として、兄姉たちからも蔑まれていた。
しかし、それはすべて偽りだった。
夜になると、オリオンは姿を変える。
黒い髪、漆黒の瞳、そしてあらゆるものを焼き尽くす謎の黒炎――。
その名は、「ブラック・ファイア」。
帝国でも数えるほどしか存在しないSランク冒険者の一人であり、魔族すら恐れる最強の存在。
ある日、帝国の辺境に突如として謎の魔法門が出現する。
そこから現れたのは、人々を喰らう無数の悪魔たちだった。
村を救うため、ブラック・ファイアは黒炎を解き放つ。
しかし――その門の奥には、彼が今まで見たことのない「何か」がいた。
やがて父である皇帝が崩御し、帝位を巡る争いが始まる。
「無能な皇子」を帝位から遠ざけようとする五人の兄姉。
それぞれが軍、政治、魔法、諜報、社交界という巨大な力を握り、帝国の覇権を争い始める。
だが、彼らはまだ知らない。
自分たちが追放した弟こそが、帝国で最も恐れられるSランク冒険者だということを。
そして世界の裏側では、かつて一度も「死」を味わったことのない存在たち――
竜王、氷王、魔王……「原初の王」たちが、静かに目を覚まし始めていた。
皇帝の座を巡る戦い。
帝国を襲う謎の悪魔。
そして、世界そのものを揺るがす古き王たち。
これは、最弱の皇子を演じる少年が、二つの顔を使い分けながら世界の真実へと迫っていく物語。