あらすじ
前世で魔王だった女子高生、元間。
圧倒的な魔力も、魔王だった頃の記憶もそのまま。
けれど今世では世界征服にも復讐にも興味はない。
そんな彼女が恋をしたのは、クラスメイトの田中良夫。
彼は自らを「邪鬼瑠城 業駕(じゃきるぎ ごうが)」、またの名を〈深淵の明星《アビス・ルシフェル》〉と名乗る、生粋の厨二男子だった。
「蒼き獄炎よ、我が掌に集え――」
もちろん、彼に魔法は使えない。
でも、困っている人がいれば真っ先に動く。
実験では誰より安全確認をする。
本を大切に扱い、友達には誠実で、どんなに恥ずかしい場面でも自分の信じたものを笑わない。
言葉は深淵。
行動は実務。
そして精神は、どこまでも高潔。
――好き。
問題は、元間には本当に魔法が使えることだった。
業駕が青い炎を望めば、こっそり青くする。
雨を止めると言えば、本当に晴らす。
炭酸を蘇らせるプチ魔法だって、少しくらいなら本物にする。
本人には絶対にバレないように。
これは、本物の元魔王が、魔法を使えない厨二男子に恋をして、
彼の語る世界をこっそり現実にしていく学園ラブコメ。
今日も彼は闇を語る。
そして元魔王は思う。
(業駕くん。今日もあなたは、高潔です)