あらすじ
朝凪駅で働く駅員・三浦奏太のもとに、ある日、一冊の青いノートが忘れ物として届けられる。
中には持ち主につながる情報はなく、最後のページに残されていたのは「捨ててください」という一言だけ。
ところが翌日、同じ場所から同じ青いノートが見つかる。今度は「まだ、捨てないでください」と書かれていた。
やがて三冊、四冊と増えていくノート。そして奏太は、それらを置いていた高校生・久保と出会う。
学校へ向かう電車に乗れず、亡くなった兄が遺した一冊のノートも手放せずにいる久保。
「頑張れ」とも「休んでいい」とも言えない奏太は、ただ彼に「また明日」と声をかける。
何本電車を見送っても、また次の電車はやってくる。
忘れものを預かる駅を舞台に、立ち止まった高校生と、答えを持たない駅員が少しずつ明日へ向かっていく、静かで温かな物語。